世界が終わらなかった日②キューバ危機

こんにちは、代ゼミサテライン予備校北千住校です。

今日10月23日は世界が1962年の「キューバ危機」のさなか、アメリカのケネディ大統領のTV演説で核戦争の危機が迫っていることを知ってから一夜明けた日になります。この日からいよいよアメリカの総力を挙げたキューバへの完全なる海上封鎖が行われ、緊張感が高まっていきます。昨日に続き緊迫した事態をを追って見てみましょう。

ケネディ大統領のスピーチ(要約)

「犠牲と自己規制が必要とされる数カ月が目前に横たわっています。–私たちの忍耐と私たちの意思が試される数カ月–多くの脅迫と威嚇によって、自分たちの危険に苛まれ続ける数カ月です。……一番大きな危険は何もしないことです。……現時点でわが国が選択した方針は、あらゆる方針がそうであるように、危険に満ちています–しかしそれは国家としての私たちの気質と勇気、そして世界中へのわが国の誓約と最も一致する方針なのです。……自由を確保するための費用は常に高く–そしてアメリカ人は常にそれを支払ってきました。そして私たちが自由を放棄し、隷属する方針を選択することは決してありません。……私たちの目標は力による勝利ではなく、権利の証明であり、–自由を犠牲にした平和ではなく、わが国、そして西半球、さらに全世界における自由と平和との両方なのです。」

このスピーチを受け米州機構は「キューバのミサイルを取り除くあらゆる措置を認める決議」を採択し、ラテンアメリカの国々も含め集団的自営行動が取れるようになりました。

しかし海上封鎖が始まっても自体はエスカレートを続けるだけで、米ソはお互いを罵りあうことしかできず、また、10月25日にアメリカの偵察機が対空ミサイルで撃ち落とされる事件なども起き、10月26日にはソ連との全面戦争に備えアメリカはで準戦時体制発令が敷かれました。ここに至ってケネディとフルシチョフは危機が制御不能な段階までエスカレートしてしまう事態を恐れ、全面戦争を避けるための模索を開始していました。カストロがアメリカへの即時核攻撃を強く主張したこともあり、逆に自制心が芽生えていたフルシチョフは「アメリカがキューバに侵攻しない」という条件で、ミサイルの撤去をすることで合意、これを迅速に履行していったことでようやくキューバ危機は去ったのです。また、この事件はこの後米ソの首脳間に直接通話ができる「ホットライン」回線が引かれる契機となりました。そして、1963年の部分的核実験禁止条約につながります。

さて、「冷戦終結後の情報公開」によって様々な事実が明らかになりました。、アメリカはキューバに持ち込まれた戦力を過小評価しており、もし空爆を行っていた場合、核ミサイルによる反撃が間違いなく起こっていたことが分かりました。また、危機中に海上封鎖を破ろうとするソ連の潜水艦に対し、アメリカ艦艇が爆雷で攻撃を加えましたが、その潜水艦は核ミサイルを積んでおり、攻撃されたらミサイルを発射するよう命令を受けていたことが判明(たまたま潜水艦に乗り合わせた軍事将校の反対で発射を止めていた)したりと、どれか一つでも一歩踏み出していれば、1発の核ミサイルから第3次世界大戦が起こっていたことが確実だったと評価されています。キューバ危機は本当に「たまたま世界が終わらなかった日」なのです。

翻って現在、この「アメリカ本土に届く核ミサイルの配備」については目の前の北朝鮮問題でも同様の視点からとらえることができます。日本に住む我々としては、歴史を学び、アメリカの対応を予測し、そこから得た知恵・教訓を活かして世論を作り「日本が終わる日」遠ざけていきたいものです。

世界史 Word Check!

・ケネディ(JFK):
初めてのカトリック教徒のアメリカ大統領。キューバ危機でソ連との武力衝突を回避してからは平和共存路線を進めた。ニューフロンティア政策で公民権拡大等を実施するにあたり、「国民が国に協力できる事」を求めた。1963年にテキサス州ダラスで暗殺される。

・キューバ危機:
1962年の米ソ間の戦争が危惧されたキューバをめぐる対立。

・部分的核実験禁止条約:
1963年アメリカ・イギリス・ソ連がモスクワで調印した核実験禁止に関する条約。3国による核兵器の寡占につながるとして、フランス・中国は参加しなかった。

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