こんにちは、代ゼミサテライン予備校北千住校です。10月24日です。東京は爽やかな秋晴れになり、まさに勉強日和といったところでしょうか。。
さて、1929年の今日、ニューヨークにあるウォ―ル街で株価が大暴落し(ブラックサーズデー)、これを気に世界恐慌へと発展しました。日本にも大きな影響があり昭和恐恐の引き金の一つになりました。農産物や工業製品の価格が大きく下落して、特に東北地方の農村部は困窮し、学校にお弁当を持っていけない児童(欠食児童)や女子の身売りが続出しました。
この年、作家の太宰治が銀座のバーの女給をしていた田部シメ子と鎌倉の海に入水自殺をし、太宰本人のみが助かるという出来事もありました。これを”人間失格”と言います。。
アメリカの経済事案が世界的に影響を与えるという点では、近年だとリーマンショックが知られています。今から10年前の2008年、アメリカの投資銀行だったリーマン・ブラーズが破綻して世界的な金融危機が発生しました。日本の経済も景気後退をすることになります。
一方、戦後の日本は何度かの好景気を経験して経済規模が発展し、世界第2位の経済大国になりました。1979年に『ジャパン・アズ・ナンバーワン』という本が発売され、海外からもいわゆる日本的経営が評価されました。バブル景気(1986年~1991年)においては株価や不動産価格が大きく上昇し、高級車が売れ、豪華な海外旅行に行く人が増えました。大学生の就職も引く手あまたで、地方の大学に東京から担当者が来て、地元の高級ホテルで説明会を開き、一人の学生が5件以上の内定をもらうこともざらにあったのです。
横森理香が書いた『ぼぎちんバブル純愛物語』は、そんなバブル期を舞台に女子大生と投資顧問会社で知り合った中年男との恋愛を描いた作品です。毎晩のように大金を使いながら、どこかでこれがいつまでも続くはずがないと思っていて、それでもやめることができない甘美でありながらひりひりと心が痛むこともある生活を描いています。この本は、後に文化庁が日本の優れた文学を世界に広めるという目的で主催した現代日本文学翻訳作品に選出され、多国語に翻訳されましたが、それはおそらく選定に関わった人たちが持っている当時への憧憬であり、自分の周りでもこんな話があった、いやできれば少しは体験したかったというようなある種のやるせなさが、幾分かは含まれているような気がします。
日本史 Word Check!
・世界恐慌:
ウォール街での株価暴落から世界的な大不況が発生した。
・昭和恐慌:
世界恐慌、浜口内閣による金輸出解禁によって起きた景気後退。
・農業恐慌:
昭和恐慌の中、特に東北地方の農村部が貧窮したことを指す。欠食児童や女子の身売りが多発した。
・欠食児童:
食事が十分に取れない小学校の児童。
・女子の身売り:
貧しい家庭が娘を売り渡すこと。