三国志の終わりのその後

こんにちは、代ゼミサテライン予備校北千住校です。

今日11月12日は古代の中国にて316年西晋が滅亡した日に当たります。日本人が大好きな三国志の時代に大きな区切りがついた瞬間といっても良いかもしれません。ただし、通常日本で読まれているのは蜀を漢の正統な後継国家とする考え方に強く影響を受けている、劉備・諸葛孔明の蜀勢を主役とする「三国志演義」をベースとした吉川英治版となるため、蜀滅亡以降に関してはあまり詳しくない人が多いことになります。

「三国志演義」は元の終わりから明時代に完成した口語歴史小説であり、「水滸伝」、「西遊記」、「金瓶梅」と共に四大奇書として中国大衆の精神文化に大きな影響を与えました。

歴史書としての三国志は西晋時代の280年以降に編纂され、三国がそれぞれ『魏国志』『蜀国志』『呉国志』として、独立した書物として扱われていました。基本は西晋の前身である魏を正統な国家として扱っており、例えば魏に朝貢してきた国について詳しい描写がある中に、かの邪馬台国と卑弥呼が伝えられた「魏志倭人伝」があったりします。

なお、西晋は魏の曹操の子孫から司馬懿仲達が権力を奪い、その孫司馬炎が打ち建てた国となります。265年に蜀を滅ぼすと魏の帝から皇位を禅譲され即位することで成立しました。そして、280年に呉を滅ぼして、後漢以来100年ぶりに中国を再統一することに成功します。西晋は家臣に帝位を簒奪された魏の失敗を見て、皇室の人間に権力を集中する政策を取りましたが、逆に諸王に権力を分散したために晋の権力基盤そのものが揺らぎ、皇位をめぐる内乱である八王の乱で有力者がほとんど死んで権力を支える者が誰もいなくなるという事態に陥ります。同時に異民族である匈奴の侵入を許し、わずか50年程で滅びたのでした。

ちなみに、昔中国人は日本人が三国志にやたらと詳しいことに驚き、同時に登場人物のうちヒール役である「呂布」の人気が日本で非常に高いことに違和感を覚えていたそうです。これには分かりやすいな理由があり、光栄から出ている人気シミュレーションゲーム「三国志」内に置いて、全武将中「呂布」だけが「武力」の値に満点の100を付けられていたことで、誰もがゲーム内で家臣として一番欲しいキャラクターだったせいです(殆どの場合、結局裏切るのですが…)。

なお、その後中国でさんざんこのゲームの海賊版が出回ったせいで、「呂布」は現在では中国でもそこそこの人気キャラクターになったそうです。

世界史 Word Check!

・三国志演義:
明代に羅貫中が完成させた口語歴史小説。三国時代の英雄の活躍を描き、水滸伝と共に中国民衆の精神世界に大きな影響を与えた。

・水滸伝:
北宋末の義賊108人の武勇を題材とした口語長編小説。南宋時代から講談や読み物となっていたが、元末から明初にかけ羅貫中等により一つの小説にまとめられた。

・西遊記:
玄奘のインド求法を題材とした口語長編小説。明代の16世紀後半に呉承恩が完成させた。

・金瓶梅:
明末の口語風俗小説。作者不詳。現代でいうと水滸伝の18禁同人誌。