はい、どうもこんにちは。チューターのこやぎです。最近めっきり冷え込んできてますが、インフルエンザ等かからないように気をつけてくださいね。
さて、今回はいつもの記事とは趣向を変えて、大学受験で「最難関」と言われている数学の問題をひとつピックアップし、出来るだけ分かりやすく楽しく解いてみよう!という記事になります。
「出来るだけ分かりやすく(ただし分かりやすいとは言っていない)」みたいな記事になる予感もしますが、まあ少しお付き合いくださいな。なるだけ楽しく解ける問題を選んだつもりではありますが……。
今回解くのはこの問題です。「!」は階乗、1から直前に出てきた数までを全てかけ合わせていく計算のことですね。たとえば3!は1×2×3ですし、5!は1×2×3×4×5のことです。
さて、100!と出てきました。1×2×3×……とやると、なんだか途方もなく大きな数字になりそうなことは予測できると思います。この数字についてくる末尾のゼロの数を求めよ……なんだかすごく難しそうに感じませんか?
ですが、コケオドシに騙されてはいけません。きちんと物事の本質を見てあげれば、実は非常に簡単な問題なんですよ。
さて、それでは本題に入る前に、少し簡単な数から考えてみましょう。550000000の末尾のゼロの数はいくつでしょうか?
バカにするな、と思った方もいるかもしれませんね。もちろんこれは単純に数えていけばいい話で、ゼロは7つ。そしてこのことから、510000000を書き直すと「51×107」と表せることが分かります。
つまりこのことから、何かの数の末尾のゼロの数が分かった時、その数は
「≪何かの末尾がゼロじゃない数≫×10ゼロの数」
で表せることが分かりました。
そして、この式を素因数分解モドキしてみると、
「≪何かの末尾がゼロじゃない数≫×2ゼロの数×5ゼロの数」
となります。このことを覚えて置きながら、さっそく問題演習に移っていきましょう。
100!という途方もなく大きな数とはいえ、末尾にゼロがつく数ですから「≪何かの末尾がゼロじゃない数≫×2ゼロの数×5ゼロの数」という形で表されることが分かりますよね。
まあ、とりあえず数学っぽく≪何かの末尾がゼロじゃない数≫を仮にXと、ゼロの数をnと置いてみましょう。この記号は何となく使ってるだけなので、もちろん他の記号を使ってもOKですが。
こうすると、こんな数式が立てられます。
100! = X × 2n×5n
おお、一気にそれっぽくなってきましたね。それでは、もう少し論を進めてみましょうか。
先ほど「素因数分解モドキ」と言いましたが、実際これは全く素因数分解された形ではないのが分かりますよね。Xはもしかしたら2の倍数かもしれないし(実際2の倍数なんですが)、3の倍数かもしれないからです(実際3の倍数でもあるんですが)。
では、このXは5の倍数でしょうか? ……先に結論から言ってしまうと、答えは「NO」です。100!に含まれている×2の数と×5の数を比較すると×2のほうが多いですから、×5は全て末尾のゼロ、つまり×10の形として出てきてしまっているからですね(分かりにくかったらごめんなさい)。
つまり、Xに×5は含まれていないわけですから、このことから100!にいくつ×5が入っているか、すなわちnがいくつかと末尾のゼロの数は一致するのです。
例えば、510000000はX=51,n=7ですから、×5は7つあることになります(すなわち×57)。
とまあ、そういうことで、上の式のnを求めると100!の末尾にいくつゼロがくっついて来てるかが分かる、ということで実際に計算してみましょう。
1×2×3×……×100の中で、5の倍数は5つおきに現れますから、まず5の倍数の数は100÷5=20個あると分かります。だから答えは20個……というワケでは、残念ながらありません。
この5の倍数の中でも、25,50,75,100だけは×5を2つ持っている厄介もの。ということでこの4つの数ぶんだけ、追加で個数を足してしまいましょう。
ということで、100!の中に×5は24個あると分かったので、末尾に出てくるゼロの数は24個。答えは24、という算段でした。
どうでしょう、案外簡単だったのではないでしょうか? 一見難しそうな問題でも、実際きちんと視点を変えて解いてみると、案外簡単だったりもするんですよ。
そして、こういったキレイに解ける視点を見つける楽しさこそ数学の楽しさだったりするんです。数学得意な人が「パズルみたいなもの」なんてよく言うのはそういうところからなのかもしれませんね。
ということで、今回はこれにて。次はもう少し分かりやすく書けるように努力します……。